第230話

エイラはエレベーターを待たなかった。階段を二段飛ばしで駆け上がり、ブーツの底がコンクリートを打つ音を響かせながら、手術フロアまでたどり着く。

「手術室」と表示された二重扉――「手術区域」「許可された関係者以外立入禁止」――を越えられないことは、彼女にも分かっていた。それでも歩みを止めず、待合の近くで看護師に呼び止められるまで進んだ。

「奥さま、線の内側でお待ちください」

「私、あの子の姉です」

「お気持ちは分かりますが、手術部は制限区域です。こちらでお待ちください」

エイラは扉のすぐ外で足を止めた。

数分後、アルファのキリアンが角を曲がって現れた。救急の受付に残り、状況の更新を受け、病...

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